2013年4月12日金曜日

村上春樹

村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発売された。

初めて彼の作品を読んだのは10代の終わりだった。知人に勧められて読んだ作品は「1973年のピンボール」。
当時の自分は、それなりの読書をこなして色んな作家の作品を読んできたが、初めて読んだ村上作品に衝撃を受けた。作品の中で主人公の感情や気持ちなどが今までにない表現で描かれていた。
当時の若い自分の中にあった上手く表現できなかった気持ちや考え、感情などがその小説の中で見事に表現されていた。これは今までにない新しい作家の誕生ではないだろうか。そう思いこの作家に興味を持ち、村上春樹の作品を読みあさっていった。そんな中「ノルウェイの森」を読み、すっかり村上春樹の熱心な読者となった。今でも自分の中で「1973年のピンボール」と「ノルウェイの森」は自分の中で大切な小説である。

村上春樹作品はその文章は分かり易いが、ストーリーは時として難解でありSF的な要因も含む。人によってはこれを好まない人もいるが、自分は普通に受け入れることが出来た。
なるほど、こういう小説もあるんだなと感じ、不思議と違和感は覚えなかった。

近年、村上春樹はノーベル文学賞候補になっているという話を聞く。また彼の作品は海外でも高い評価を受けており、特にアジアの若者に大きな影響を与えているらしい。
日本だけでなく海外でも支持者が多いと言うことは、若者にとって感じる部分は同じということが言えるのかも知れない。

前作の「1Q84」発売時も大きな話題となり、出版業界自体に大きなインパクトを与えた。即ち「1Q84」の売り上げが出版業界の販売数増大に寄与したのだ。あまりの反響の大きさに第3部(Book3)は、当初2010年夏に出版される予定となっていたが予定が早められて2010年4月16日に発売さるということになった。
しかしながらこの作品の前にイスラエルのエルサレム賞を受賞したことにより、実力以上に注目され、このことが「1Q84」のヒットの要因になったと酷評する声もある。
それでも作品に魅力がなければ、出版不況の現在100万部を超えるヒットになることはありえない。魅力的な作品であったことは事実であろう。

今度の新作も期待を持って読んでみたい。

追記:4月17日、発売後1週間で村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発行部数100万部を超えたらしい。「1Q84」の記録を抜く自信最速の記録になった。

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