2013年5月6日月曜日

祭り

5日に東日本大震災の発生直後に断水するなか、地域住民の暮らしを支えた神社の湧き水に感謝する集いが、宮城県石巻市で開かれた。
石巻市の垂水明神社は、震災の津波で大きな被害を受けた渡波地区の内陸部にあり近くの住民は、水道が復旧するまでのおよそ1か月の間、神社の敷地内に湧き出る水で生活を続けた。5日は、この湧き水に感謝しようと住民およそ100人が集まって感謝の集いを開き、地元に伝わる伝統の獅子舞が奉納された。

この話を聞いたとき、祭りの原風景を見た気がした。多分各地に残る祭りの始まりは何処もこのような感じだったんだろう。
もともと、祭りの語源は、元々は神事において神様に仕え祀る(祭祀の意)や、神様に供え奉る(奉納の意)からくる「祀り」や「奉り」が変化したもので、本来の意味は神様と人との交流の場として神様をお招きして饗応(きょうおう)接待をすることであった。それがいつしか神様に豊作や豊漁・豊猟を祈願することに変わり、その祈願成就のお礼や感謝の気持ちを表わす形として祭りという行事が生れてきた。雨乞いをしたり、豊年を祈願したり、感謝したりなど自然への畏敬の念から始まっているのだろう。そして後世へ伝え続けなければならない事象が起こった際、「祭り」という手段をとる場合もあったに違いない。

今回は名前も無い集いだったが、毎年続いて「祭り」として成立し、その「祭り」を保存していって欲しいと願う。
これにより、東日本大震災を忘れることなく、また神社の湧き水の大切さを後年に伝えていって、将来もし同じような災害が起こった場合には役立ててもらいたい。
東北には過去の津波災害から生まれた教訓があちこちに残っている。今回のニュースを見て、また新しい伝承が生まれるのだろうと感じた。
自然災害は人間の力で発生を抑えることは難しい。祭りという形で自然を敬い自然と共存できることが出来ることを望みたい。

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