来年のW杯のプレ大会であるコンフェデ杯開催中に勢いを増す反政府デモ。サッカーはブラジルの国技とも言えるスポーツだったのではないだろうか?
それなのにサッカーW杯の開催に反対するとも言えるデモが行われている。不思議だ。そこで調べてみた。すると以前と違ったブラジルの内情が分かった。
以前は才能のある子供達のうち、経済的に恵まれている子供はF1ドライバーを目指し、恵まれない子供達はサッカー選手を目指すと言われていた。
そのF1ドライバーの代表が故アイルトンセナであり、サッカー選手の代表がサッカーの神様といわれるペレであり、スラム街出身選手のロナウドやアドリアーノであった。
だが、中国やロシアなどとともに新興5カ国(BRICS)の一角として経済発展を果たし、中産階級が増えた今は違う。用具は簡単に手に入り、才能を見いだされれば、母国の代表で活躍する前でも国内外のプロクラブの下部組織でエリート教育を受けられる。
南米最大規模のスラム街があるリオデジャネイロのロシーニャ地区にさえ、芝生のグラウンドがつくられ、子供たちがまっさらなユニホームとスパイクを身につけて、ボールを追いかける姿が見られる。
すなわち、経済的に裕福でなければサッカーのエリートコースに乗ることは難しくなっていると言うことらしい。
ブラジルで過熱するデモが示すのは、国の経済成長に伴い国民が夢を託すスポーツではなくなってきているという現実だ。
同国サッカー連盟会長のホセ・マリア・マリン氏(81)は「ブラジル人は生まれたときから、サッカーとともに生きている。医者や弁護士などのキャリアというが、ブラジルではサッカーを練習することがキャリアだ」という。
コンフェデレーションズ杯でMVPに選ばれたネイマールも、幼年時代は経済的に不遇であったらしいが、そのサッカーの才能によって14歳くらいからサッカーによる収入があり、一家を養うのに十分だったらしい。
ネイマールほどの才能があれば、家庭の経済状況はあまり関係ないようだが、そうでなければサッカーの才能を伸ばすためにもある程度恵まれた家庭環境が必要なのだろう。
ブラジルの経済発展に伴い、ブラジリアンドリームというべきサッカーでの成功物語も変化しているらしい。
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